学校であった怖い話
>一話目(荒井昭二)
>D4

「あら、みんな。久しぶりね」
同級生でした。
「ぎゃーばけものーーー!!」
驚くのも無理はありません。
前の面影は見る影もなく、思わず腰を抜かしてしまいました。
顔を上げる勇気もありません。

「ひ、ひょっとして真由子さん……」
この彼は以前、彼女にうるさくつきまとい、何かある度にちやほやしていたんです。
「まあ……ずいぶんな言いぐさじゃない……」
差し出された手だけを見ると、爪は白く割れ、シミとしわがよっていて、とても十七才の手には見えません。

「結構、骨太なのね」
そして彼の顔に生臭い息を吹きかけました。
彼は、あまりの恐怖に気を失ってしまったんです。

ショックで気絶している彼の足をつかむと、脇に見える、まだ熱く燃え盛っている焼却炉に投げ込んだんです。
「ぎゃぎゃぎゃあーーーーっ!!」
悲鳴が、終わるか終わらないかのうちに扉を閉めました。

一時間くらい経ったのでしょうか彼女は焼却炉の扉を開け、灰を棒で掻き出しました。
そして、まだ熱をもった骨をかき集めると、おもむろにもふもふと頬張り始めたのです。

「骨を。もっと骨を……。うふふっ。これで私、病気が治るのよ。前のように、かわいい私に戻れるの」
思わず小踊りしてしまう真由子でした。

それから彼女は、行方知れずになってしまったそうです。
その後、その焼却炉はやけどする生徒が多発して危ないとのことで今は用務員さんしか近づかないそうです。
さあ、僕の話は、これで終わりです。
次は、どなたですか?


       (二話目に続く)