学校であった怖い話
>一話目(風間望)
>A3

ああ、どうも。
ちょっといただくよ。
でもこの水は、ぼくが飲む為だけに持ってきてもらったわけじゃない。
誰か一人……そう、
君、坂上君だっけ?
ちょっとこの水が入ったコップを持ってくれないか?

僕にはね、見えるんだよ。
コップの水に、恐ろしいものを映して見せることができるのさ。
僕には、そういう力があるんだ。
どうしたんだい?
脅えなくていいよ。
いいかい、まず、

このコップの水をのぞきこんでごらん。
よく目をこらすんだ。
見えるかい?
動物の黒い毛が。
これは、恐ろしい生き物だよ。

二つの穴が見えるだろう?
その穴は、この動物にとって重要なものなんだ。
弱点といってもいい。
君がもしこの動物からおそわれたら、この穴に何かを突き刺せばいい。

気をつけろ。
いいか、気をつけるんだぞ。
この動物の名を呼ぶからな。
この動物は、名を呼ばれると歯をむき出しておそって来るはずさ。
そしたら、いいかい、二つの穴めがけて、何かを突き刺すんだ。

怖いのかい?
わかった、僕が戦ってやろう。
よし、じゃあいくぞ。
動物の名を呼ぶぞ。
動物の名は……。

坂上!おまえだっ!! 黒い毛の生えた、二つの鼻の穴のある動物はおまえだ!!
コップに映った動物は
おまえだ!!
そら、かかってこい!!
1.飛びかかる
2.あきれる