学校であった怖い話
>一話目(風間望)
>C5

「ふん、そうかい。
いいよ。
君がその気なら、
僕にも考えがあるからね」
風間さんは何やら、ぶつぶつ言っている。

まいったなあ。
何で先輩は、こんな人を呼んだんだろう。
それに、この人は本当に三年なのか?
ずいぶん子供っぽいことするし。
この部屋に霊気があっても、こんな人がいたんじゃ霊も寄りつかないよ。

え?
何だ、今の音は?
なんか変な音だ。
聞いたこともないような……。

「ラップ音だな」
風間さんが言った。
ラップ音?
「言っただろう。
この部屋に、異常な空気を感じるって。
だから僕がわざとおどけて、空気を変えようと思ったのにさ。

まあいいよ。
まじめな怪談をしたければすればいい。
その代わり何が起こっても、僕は責任とれないからね……」

みんなは、押し黙った。
静かな部屋の中、ラップ音のみがしばらく響いていた。
風間さんが言った。
「さあ、次の話に行くんだろ。
次は、誰の番だい?」


       (二話目に続く)