学校であった怖い話
>一話目(岩下明美)
>F7

そう、内山君は、愛してはいけないって思ったの。
そうよね、彼女には悪霊がついてるんだもの。
内山君一人では、どうにもできなかったの。
そうして内山君は、一人で転校していった………。
悪霊が住んでいるこの学校から、立ち去ることを選んだの。

自分が好きだった人も見捨ててね……。
……うそだと思う?
悪霊なんて、うそだと思う?
でも内山君には、見えていた。
悪霊が見えていたの。
みんなが内山君の話をもっと聞いていたら、悪霊の災いなんて、とり払えたかもしれないのにね。

……でももう遅いわ。
悪霊は、まだいるの。
いつでも誰かに、災いを振りまこうと、この学校に巣食っているのよ……。

彼女は、ニヤリと笑った。
彼女のくちびるは、こんなに大きかっただろうか。
……悪霊だって?
悪霊……。
この学校には、本当に悪霊が?
………。
彼女は言った。

さあ、私の話はこれで終わり。
次は、誰の番?


       (二話目に続く)