学校であった怖い話
>二話目(新堂誠)
>D8

嘘をつくなよ。
俺は、確かに聞いたぜ。
この話を聞いて、飴玉ばあさんの飴を食べたいって言った奴は、ばあさんに会えるっていうぜ。

今から一ヶ月の間、いつかどこかで会えるんだってよ。
それが人込みの中か、それともお前の部屋なのか、それは俺にはわからないけどよ。
そして、あのおいしい飴玉を差し出して、質問をしてくるそうだ。

「飴は好きかい?」
「お前は、飴がほしいのかい?」
「飴は、おいしかったかい?」
「飴をいくつ食べたんだい?」
っていう、四つの質問だ。
いいか、よく聞けよ。
その質問に、こう答えるんだぞ。

一度しか、言わないからな。
「飴は好きかい?」
って聞かれたら、
「嫌い」
って答えろ。

「お前は、飴がほしいのかい?」って聞かれたら、
「いりません」
って答えろ。

「飴は、おいしかったかい?」
って聞かれたら
「飴を食べたのは佐久間だ」
って答えろ。

「飴をいくつ食べたんだい?」
って聞かれたら
「佐久間が三つ食べた」
って答えるんだ。

いいか、絶対に間違うなよ。
もし逃げようとしたり、その質問に間違った答え方をすると、目玉をくり抜かれるぞ。
そして、お前の目玉は飴玉にされちまうんだ。
まあ、一ヶ月間の辛抱さ。
我慢しな。

……俺の話は終わりだ。
次の奴に話してもらおうぜ。


       (三話目に続く)