学校であった怖い話
>二話目(荒井昭二)
>A7

桜井先生は、振り向き様に懐中電灯を向けました。
そこには……。
「うぎゃーーーーーーーっ!」
夜中の学校に、桜井先生の悲鳴が響き渡りました。

……次の日の朝でした。
校庭をふらふらと当てもなく歩く桜井先生が発見されたのは。
懐中電灯の明かりをつけたまま、酔っぱらいのように千鳥足で校庭をぐるぐると、さ迷っていました。
口からはだらしなくよだれを垂れ流し、髪は真っ白に染まり、顔は一気に三十才も年を取ったかのように老け込んでいました。

そして、
「……あいつは、私のお友だち。
……私も、あいつのお友だち。
……みんなで死のう。
……楽しく死のう」
と、不気味な節に乗せて歌っていたそうです。

桜井先生は、治療のため病院に入りました。
治療はなかなかはかどらず、ほとんど回復の見込みはないそうです。
そして、今もあの歌を口ずさんでいるとか……。

いったい、桜井先生は、何を見たんでしょうか?
よっぽど恐ろしいものを見てしまったんでしょうか。
そして、そいつは今も旧校舎に潜んでいるんでしょうかねえ。

もうすぐ旧校舎が取り壊されてしまったら……。
そいつは、いったいどうなってしまうんでしょうか?
……僕の話はこれで終わります。
ありがとうございました。


       (三話目に続く)