学校であった怖い話
>二話目(風間望)
>B8

「それでは、次はどなたが……」
僕が言いかけると、風間さんはあごを上げ、軽蔑したようなまなざしをちらりと向けてきた。
「ああ、次の人の話に移るのかい? ダメだなあ君は。
せっかくこれから僕が本当に怖い話をしてあげようと思ったのに」

む……。
何なんだこの人は。
「……風間さん。
さっき話の最後に、終わり。って言ったじゃないですか」

「君ねえ、取材は、相手の話をいかに聞きだすか、っていう所にポイントがあるんだよ。
相手の話をただボーッと聞いてりゃいいってものじゃない。
それくらい、分からないのかい?

……ま、いいけどね。
君が聞きたくないなら、それでもいいよ」
………むむむ
僕が困っていると、風間さんはみんなに向かって次の話の催促を始めた。

「僕の話は、これで終わりだ。
坂上君が、もういいって言ったからね。
さあ、次は、誰の番だい?」


       (三話目に続く)