学校であった怖い話
>二話目(風間望)
>G6

この人は、なぜこの世に生をうけたのだろうか。
僕にはわからない。
きっと、僕の家の隣に住んでいる田中さんにも分からない。
親戚の家で飼っているポチにも分からない。

………。
何なんだろう。
何で僕がこんなことを考えなくてはならないんだ?
もういいや、次の人の話を聞こう。
「それでは、次の人……」

「ちょっと待ちなよ。
僕の話はまだ終わってないんだよ」
風間さんが、文句を言いだした。
「だってさっき、銅像は夜中ひとりでに動く……終わり、って言ったじゃないですか」

「うるさいなあ。
もう少し話してやるって言ってんのに、反発するなよ。
今、また新しいドキュメンタリーを思いついたんだからさ」
「風間さん、ドキュメンタリーって、思いつくとかいうものじゃ……」

「平成二年三月十四日にたてられた校長先生の銅像は銅でできており表面がぴかぴかに磨き上げられしかもなめらかでハリがありまるで生きているような生命の息吹を感じるというところのものなのでありさらに………。
ぶつぶつぶつ………………」

風間さんは、ぶつぶつ言っている。
僕は、彼のことを放っておいて、次の話にいくことにした。
「それでは、次の話にいきましょう。
次の方、お願いします……」


       (三話目に続く)