学校であった怖い話
>二話目(風間望)
>J4

「……すみません。
やっぱり聞かないでおきます。
何か、嫌な予感がしますから」
この話を、これ以上聞くことはできない。
そんな気がした。

僕は、室内をゆっくり見回した。
みんな、不満そうな顔をしている。
あれ?
みんなは、嫌な予感がしないのだろうか?
風間さんの話の続きを、聞きたがっているのだろうか?

……確かに、校長の銅像が夜中動く、終わり、じゃあんまりかもしれない。
でも、いまさらやっぱり話してくれなんて言えない。
なぜなら……。
「ぐうぐう……」
風間さんは、いつのまにか眠ってしまっていたのだ。

この人、いったい何者なんだ?
……ずっと眠たかったんだろうか。
七不思議の取材に参加したら、眠くなってしまって、テキトーに短い話を語ったんだろうか。
しかし……先輩はなぜこんな人を呼んだんだろう?

………。
しょうがない。
考えてもしょうがない。
次に進まなくてはいけないんだ。
僕は、みんなの冷たい視線を浴びながら、恐る恐るきりだした。
「あのう。次の話に、移りませんか……?」


       (三話目に続く)