学校であった怖い話
>二話目(細田友晴)
>F6

君って案外、意気地なしなんだね。
あっ、気を悪くしたらごめんよ。
僕も人のことは言えないんだ。
その通りの行動をとったんだからね。
でもね、僕が校舎から出た時。

…………ものすごい悲鳴が聞こえたんだ。
僕は怖くなって、走って家に帰ったよ。
次の日学校に行ったらパトカーが来ていた。

例の女子トイレで、芦村先生の変死体が発見されたんだって。
体を、いくつものパーツに切り分けたみたいな……バラバラ死体ってヤツ?
どうしてなんて聞かないでくれよ。
僕にわかるのは、あの悲鳴は芦村先生のものだろうなってことだけなんだから。

あの時、トイレをのぞいていたらどうなってたかって?
やめてくれよ、考えたくもない。
女の子たちも怯えちゃって、あまり人に話さなくなったみたいだね。

まあ、それで進路指導が、君の知ってる今の先生に代わったのさ。
……何だか、納得いかない顔してるね。
僕にもわからないことが多いんだから、しかたないけど。
僕の話はこれで終わりなんだ。
次の人は誰だい?


       (三話目に続く)