学校であった怖い話
>三話目(新堂誠)
>A9

田所は、ごくりと唾を飲み込んだ。
そして、一気に目を開けたんだ。

「ぎゃあーーっ!」
目の前にいたのは、腐り果てた自分だったのさ。
まるで、墓の中から這いずり出てきた死人のように、変わり果てた自分だったのさ。

『ドッペルゲンガー』って知ってるか?
もう一人の自分のことでな。
そいつに会うと、近いうちに死んでしまうって話だよ。

……次の日、体育館で死んでいる田所が発見された。
その顔は、恐怖で凍りついた、二目と見られぬ顔だったそうだ。
結局、頭が変になってしまった田所が、体育館で自殺をはかったってことで解決したんだけどな。
死因は不明さ。
とりあえず、心臓マヒってことになってるけどな。

……これが、バスケ部で語り継がれている話さ。
何で、田所が死んだのに、その話を知っているかって?
ふふふ……、お前、あのノートがどうなったと思う?

今も、バスケ部のどこかにあるらしいぜ。
捜しても、簡単には見つからないらしいけどな。
しかも、二冊目があるんだとよ。

もちろん、二冊目を書いたのは……お前には、わかってるよな。
そして、どんなことが書かれていたのかも。
偶然、それを見つけて読んだ奴がいるって話だ。
だから、この話が語り継がれてるのさ。

お前、スポーツをやってんだろ?
何をやってるのか知らないけど、ほどほどにしろよ。
……ところで、お前、兄貴がいたっけ?
1.いる
2.いない