学校であった怖い話
>三話目(荒井昭二)
>E10

それでは、行きましょう。

……この学校に、魔物が住んでいるという話は、事実だと思いますよ。
僕も、何かに取りつかれているような気がして仕方ないんですよ。
いえ、僕がじゃありません。
この学校の皆さんがですよ。

もっとも、その中に僕も含まれるんでしょうけれど。
この学校には、何か秘密でもあるんでしょうか?
……だんだんと屋上が近くなってきましたよ。
ほら、この階段を上ると、もう、すぐそこが屋上です。

気持ちいいでしょ?
夏の風は、生暖かくて実に気持ちいいものです。
ほら、坂上君。
あなたもどうですか?

この屋上から、下を見下ろしてごらんなさい。
たった地上十数メートルの場所からでも、人間はアリンコのように見えるものでしょう?
あなたも、この学校に身を捧げてみませんか?

どうです?
楽になってみませんか?
旅立ってみませんか?
相沢さんのように……。
1.旅立とう
2.旅立つつもりはない