学校であった怖い話
>三話目(荒井昭二)
>G12

どうしたんですか?
相沢さんに会いたくないんですか?
さあ、いってください。
………。
いわないつもりですか?

だったら、僕がいいますよ。
こうやって、校庭を見下ろして呼びかけるんです。
相沢さん! 実験を……。

「やめてくれ!」
僕は、荒井さんにすがりついた。
彼がとびおりそうに見えたのだ。
「荒井さん、もういいです」

僕は、必死になっていった。
「何だか嫌な予感がするんです。もう、部室に戻りましょう。相沢さんに会えなくてもかまいません。お願いします、戻りましょう……」
荒井さんは顔をしかめた。

しかし、僕は強引に、みんなを部室に連れて行くことにした。
これ以上の危険は、避けねばならない。
ふたたび部室に戻ると、みんなは下を向いたまま黙り込んでしまった。

荒井さんも、床を睨んだまま口を閉ざしている。
何だか妙な空気がながれていた。
しかし、このままやめるわけにはいかない。
僕は、みんなに呼びかけた。
「それでは……次の話に移りましょう……」


       (四話目に続く)