学校であった怖い話
>三話目(風間望)
>A1

僕は風間望。
三年だ。
君たちは、『こっくりさん』を知っているかな?
『キューピットさん』とか『エンジェル様』とかいろいろな呼び方があるけれど、基本的にはみんな同じだな。

一枚の紙に、五十音とYESとNOの文字、そして0〜9までの数字を書いて、真ん中に鳥居のマークを書く。
その鳥居の上に、十円玉を置いたら、二人以上の人差し指を十円玉の上に置く。
後は、こっくりさんを呼び出して、知りたいことを尋ねるんだ。

そうすれば、こっくりさんが、その十円玉を通して、いろいろとお答えくださるわけさ。
そして、尋ねたいことがすべて終われば、こっくりさんにお戻りいただき、使った十円玉と紙はすぐに捨てるなり使うなりして手放さなければならない。
これが、簡単なこっくりさんのやり方だ。

ただし、高級霊のこっくりさんが降りてくれればいいんだが、たちの悪い低級霊が降りてくることもあるんだな。
そうなると、取りつかれてしまうこともあるから、気をつけなきゃな。
もっとも、僕はこっくりさんのプロフェッショナルだから、心配ないけどね。

西洋にも、似たようなものがあってね。
『ウィッチ・ボード』というんだ。
それ専用の道具まで売ってるんだぜ。
まあ、そういうものは世界共通ってことだよな。

……で、実は僕が話そうとしている三話目は、このこっくりさんの話なんだ。
正確に言うと、話ではないな。
まあまあ、へたな話よりも、ずっとおもしろいはずだぜ。
聞いて、損はさせないよ。
実を言うと、僕はこっくりさんを呼べるんだよ。

え?
誰にでも呼べるって?
……甘いな。
僕が呼ぶこっくりさんは、本物だよ。
本物のこっくりさんを呼べるのさ。
君たち、見たことないだろ?
ふふふ……、見ることだってできるのさ。

疑ってるな?
まあ、それは見てのお楽しみってところだな。
ところで、坂上君。
君は、こっくりさんを信じるかな?
1.信じる
2.信じない
3.どっちともいえない