学校であった怖い話
>三話目(風間望)
>AN8

僕は、彼の要求には応じられなかった。
「風間さん、申し訳ありません。
やはり、五百円玉はないんです。
こっくりさんは、又の機会にして下さい」

僕がそう言うと、風間さんは、がっくりと肩を落とした。
そして一言こう言った。
「五百円ぽっちも持ってないなんて、君、そんなんじゃ、女の子にはもてないよ」

……な、
何なんだこの人は!?
「しかし坂上君、残念だね。
五百円玉さえあれば、本物のこっくりさんを見せたり、占ってあげたりすることができたのに。
せっかくいいネタを用意してきたのになあ。

あっ、高級霊のこっくりさんを、ネタなんて言っちゃいけないね。
いかんいかん、ぶつぶつぶつ……」
風間さんは、ぶつぶつ言っている。
何だか変な人だなあ。

僕は、とにかく次の話を聞くことにした。
今やったこっくりさんが、風間さんのガセネタでないことを祈りながら。
「それでは、次に進むとしましょう。
次の話は……」


       (四話目に続く)