学校であった怖い話
>三話目(風間望)
>AQ5

「風間さん、申し訳ありませんでした。
風間さんのことを疑ったり、お守りのことをただの消しゴムなんて言ったりして……」
僕が謝ると、風間さんは僕に消しゴムを手渡し、分かればいいんだよと言った。
そこで僕は、お礼を言いながら風間さんに千円札を渡した。

「うふふ。君、素直だね。
いいこだ。ほんとうにいいこだね」
風間さんは、うふふと笑った。
……やっぱり何か変じゃないか?
しかし、もう遅かった。
風間さんは千円札をポケットに入れ、そそくさと僕から離れてしまった。

な、なんて人だ。
本物のこっくりさんを呼べるだの、こっくりさんを見せてやるだの、呪いをかけるだのと言っていたのは、僕をだまして脅かせて、消しゴムを売りつける為だったんじゃないのか?

………。
先輩、何でこんな人を呼んだんですか……。
あ、……。
でも、さっきは何でこっくりさんの紙が床に落ちたんだろう?
よく考えると、風間さんも僕も、紙には触っていないはず……。

考え込む僕には構わず、風間さんは満足げに皆に呼びかけた。
「せっかく本物のこっくりさんを見せてあげようと思っていたんだけど、儀式の紙が落ちてしまっては、もうできないな。
落ちた紙を使って呼びだそうとすると、こっくりさんがお怒りになってしまうんだよ。

しょうがない、次の人の話を聞くしかないようだ。
じゃあ、次は、誰の番かな?」


       (四話目に続く)