学校であった怖い話
>三話目(風間望)
>AR5

「風間さん……」
僕は、あきれかえった。
彼の言うことはうさん臭すぎる。
「……もういいです。
次の人の話を聞きましょう」
すると、風間さんはぶつぶつ言いだした。

「いいの?ほんとうにいいの?
呪われちゃうよ?
あっ、五百円でもいいからさ、このお守り買いなよ」
……ますますうさん臭すぎる。

僕がにらんでいると、風間さんは慌てた様にこんなことを言いだした。
「し、しょうがないね。
せっかくお守りをゆずってあげようと思ったのに。
君、今後何か事故にあっても、知らないからね。

でも、残念だな。
本物のこっくりさんを見せてあげようと思っていたんだけど、儀式の紙が落ちてしまっては、もうだめなんだ。
落ちた紙なんか使ったら、こっくりさんがお怒りになってしまうからね。

しょうがない、次の人の話を聞くしかないようだ……」
僕は、一瞬ヒヤリとした。
そういえば……さっきは何で、こっくりさんの紙が床に落ちたんだろう?

よく考えると、風間さんも僕も、それには触っていないはず……。
風間さんはうさん臭いけど、この部屋には、何か霊的な存在がやって来ているのかもしれない。
僕は、内心冷や汗をかきながら、みんなに呼びかけた。
「そ、それでは、
次の話に移りましょう……」


       (四話目に続く)