学校であった怖い話
>三話目(岩下明美)
>E10

絵は彼女のお墓の前にあったの。
そして、そこに一人の男が倒れていた。
汚れたジャンパーを着た、見慣れない男。
発見されたときには、もう死んでいたわ。
死因は、心臓マヒだそうよ。

そんな人が、なんで彼女のお墓で死んでいたのかは、わからない。
でも、ひょっとして、清水さんを殺した犯人は、あいつだったのじゃないかしら。

肖像画が復讐した……なんて、ちょっと考えにくいかしらね。
でも、私にはそう思えるの。
それから、清水さんの幽霊が現れることも、絵が消えることもなくなったわ。

だからよけいに、そんな気がするのよ。
だけど、すごいわよね。
そんな方法で復讐できるなんて。
私も、もしもに備えて、いつでも復讐できるように考えておこうかしら……うふふ。
さて、私の話はこれでおしまい。
次は誰かしら?


       (四話目に続く)