学校であった怖い話
>三話目(岩下明美)
>R4

あら、本当にいいの?
この部屋にも、そろそろ怪しい気配が立ちこめてきているわ。
七不思議のうち、もう二つ目まで話したんですものね。
こんなところに、一人で残るっていうの?

……まあ、あなたがいいなら構わないけど。
でも物好きね。
私だったら絶対にごめんだわ。
それじゃあ私たち行くけど、気が変わったら追いかけてきてね。

僕以外のみんなが立ち上がって、ゾロゾロと出ていき始めた。
最後になった岩下さんが、僕を振り返った。
「気をつけてね……」
くすっと笑う。
背中がぞくっとした。

この人は何かを知っているんだろうか。
この部屋に一人で残されることを急に怖いと思った。
「ま……待ってください!」
あわてて立ち上がる。

「やっぱり行きます」
「そう……」
扉を閉めかけていた岩下さんが、にっこりと笑った。
「賢明だわ」

それじゃあ、皆さん、場所を移動しましょう。
……大丈夫よ。
部室の鍵は、私が持っているから。
どうして、私が持っているかって?
想像におまかせするわ。

……さあ、ついたわ。
ここにあるの。
皆さんに、その絵をお見せするわ。
私ね、時々見せてもらっているの。
その絵をね。
だから、場所はわかってる。
さあ、そこに山積みにされたキャンバスの中よ。

……そう、その三番目の油絵。
それを取って。
大事に扱ってね。

……この一枚の女性の肖像画。
皆さんは、どう思う?
何か、感じるかしら?
坂上君はどう?
何か感じて?
1.別に感じない
2.気味が悪い