学校であった怖い話
>四話目(岩下明美)
>M4

いっそのこと、傘なんてさすのはおやめなさい。
傘なんて、わずらわしいだけよ。

私は傘は、絶対にささないわ。

どんなどしゃ降りでも、絶対にね。
空いっぱいの雨を受けて、私は天を仰ぐの。
そして、全身で雨を受け止めるの。
素敵よ。
とても、気持ちいいから。
あなたも、一度やってみなさいな。

雨の降りが弱いときは、肌をくすぐるような霧となって、私を感じさせてくれる。
雨の降りが強いときは、激しい雨音とともに、私の身体を強く打ち鳴らす。
雨は生きてるわ。
うふふ……、あなたにはわからないかもね、この快感は。

でも、これから私がはなす話は、雨が嫌いでせっかくの雨を傘で拒んでしまうようなあなたにはぴったりの話かもしれないわ。

ところで、坂上君て、学校に置き傘してるかしら?
1.している
2.していない
3.いつもしているというわけじゃない