学校であった怖い話
>五話目(新堂誠)
>K8

おいおい、本気かよ。
おとなしそうな顔して、おまえって悪いヤツなんだな。
俺だって、二の足を踏んだってのに。
……そう、俺は断ったんだ。

「そうか、残念だね。でも魂のただ取りは悪いから、大倉君の死体くらいは片づけていってあげよう」

そういうと、親父は手を振った。
それと同時に、大倉の体が消えたんだ。
そして、親父もな。

大倉は行方不明ってことになったよ。
本当のことなんていえねえもんな。
俺が、あいつを殺しちゃったんだしさ。
親父の正体?
……俺は、悪魔じゃないかと思ってるんだ。
おかしいかな。

でもさ、おまえ、気をつけろよ。
おまえみたいに変に欲を出すヤツが、一番危ないんだ。
縁日で変な親父に会っても、話に乗ったりするんじゃねえぞ。
賢いつもりかもしれねえが、もしヤツが悪魔なら、勝てるはずがないんだからな。

とにかく、俺の話はこれで終わりだぜ。
さあ、いよいよ六話目だな。


       (六話目に続く)