学校であった怖い話
>五話目(風間望)
>A7

僕は、思わず適当に、
「QWYKLP/BKMSZDGT」
と、答えていた。
僕は、なんてのりやすいんだろう。
考えてみたら、僕はとってもばからしいことをしている。

しかし、風間さん……、あそこまですることないだろうになぁ。
変なところで凝り性というか、ただ単にバカというか……。
そして、風間さんは急に怒ったような顔をした。
「僕たちは、君たちと一緒にこの星を征服しようと提案したのに!
それを断るっていうのか!?」

な、何を言っているんだ風間さん。
僕は、適当に答えただけなのに。
「僕たち、スンバラリア星人は基本的には感情的にならないんだが、そっちがその気ならこっちにも考えがあるぞ! ポヒポヒ星人め!」
ぼ、僕がポヒポヒ星人?
あっけに取られている僕を無視するように、風間さんは窓際に立った。

そして彼は、空に向かって手をあげたんだ。
「報告! 地球において、我々のほかに地球征服を狙う異星人を発見! 彼らは、我々の好意を踏みにじりました。直ちに、地球侵略の計画実行を!!」

その時、突然空に二つの光の玉が現れたんだ。
あれは、空飛ぶ円盤!?
そんな、バカな……。
そして、その二つの光の玉はお互いに向かって光線を出しあうと、激しい光を発したんだ。

「うわっ!!」
僕は、思わず目を伏せた。
な、なんだ、いったいなんだというんだ!!
そこには、何もない空が広がっているだけだ。
そして、風間さんを見た。

彼は、がっかりした様子で僕に言った。
「スンバラリア星人と、ポヒポヒ星人の宇宙船は相打ちして消滅してしまった……。覚えていろよ、ポヒポヒ星人! 今度は、ただではすまさんからな!」
……その時。
僕は見逃さなかった。

風間さんの目が金色に光ったことを。
風間さんは、自分の席に戻ると、みんなを見回していった。
「すまないね、内輪の話でちょっとごたごたしてしまったものでね。あ、坂上君! 後でちょっと顔をかしてくれないかな? ……さてと最後は誰が話すんだい?」

ちょっと待って!
顔をかせってどういうことだ?
……取りあえず、今はそんなことはどうでもいい。
ここにいるのが六人ってことは、七人目が来ない限り次の話が最後ということになる。
残り一人の話を聞かなければ…………。


       (六話目に続く)