学校であった怖い話
>五話目(風間望)
>C6

「違いますよ。
僕は地球人ですから。
これ、何かのクイズの本で読んだんですよ」
風間さんは、僕の言葉を真剣に聞いていない。

「またまた、冗談いっちゃって。同士よ!」
そういい、僕の肩に手を回してきた。
そして、そっと耳打ちした。
「SDFJWKJSVS/JKGJRI」
え?
今のは何だ。

今、なんていったんだ、風間さん。
日本語じゃない。
かといって、外国語でもないような……変な言葉をしゃべったぞ。
僕が、不思議そうに風間さんのことを見ていると、風間さんは一人頷いてニコニコ笑った。

そして、窓際に立つと、空に向かって手をあげたんだ。
「同士発見! 地球には、スンバラリア星人がすでに潜入していました」

その時、突然空で信号のようなものが光ったんだ。
あれは、空飛ぶ円盤?
そんな、馬鹿な……。
僕が驚いていると、風間さんはまた近づいてきて肩を抱いた。

そして、また耳打ちした。
……今度は、日本語で。
「一緒に地球を征服しよう。準備は整った」
そして、右手の親指と人差し指をくっつけてOKマークを作り、僕にウインクした。

……その時。
僕は見逃さなかった。
風間さんの目が金色に光ったことを。
風間さんは、自分の席に戻ると、みんなを見回していった。

「さあ、次の話を聞こうか。僕たちには時間があまりないんでね。いろいろと、打ち合わせなきゃならないことができたんだ。最後は誰が話してくれるのかな?」
そういって、僕を見て促した。
僕たちにはあまり時間がない?
僕たちって、風間さんと僕のこと?

打ち合わせるって、いったい何を打ち合わせるんだろう。
……とりあえず、今はそんなことどうでもいい。
ここにいるのが六人ってことは、七人目が来ない限り次の話が最後ということになる。
残り一人の話を聞かなければ…………。


       (六話目に続く)