学校であった怖い話
>五話目(風間望)
>I4

「風間さんを、信用します! 風間さんがそう言うなら僕たちは信じましょう。ええ!! みんなが信じないといっても、僕だけは信じましょう!! 風間さん!! はぁはぁはぁ……」
僕は、思わず力んでしまった。

取りあえず、こういう風にいっておかないと、後でなにを言われるかわからないからなぁ。
「いいよ、無理をしなくても。これから、その証拠をじっくり見せてあげる……」
風間さんはにっこり笑っていった。
「僕らは、目が退化していてね。ほら……」

風間さんは、自分の両目に指を突っ込み目をくり抜いた。
あ、あれは義眼だ……。
「こうやっても通常生活に問題はないんだが、みんなが驚くと思ってね」
そしてまた、目をぽっかり空いた穴に埋め込んだ。

「僕たちは、超音波で意思の疎通ができるんだよ」
彼は、耳をぴくぴくさせた。
自由自在に耳が動かせるようだ。
これでは、目がいらないのもうなずける。
「君たち、地震はどうやって起きているか知ってるかい?」
彼は、僕に聞いた。

「えーと、確かマグマ関係の……」
僕は、いいかけて彼に言葉を遮られた。
「ちっちっち、あれは、僕らがみんなコントロールしてるのさ」
風間さんは、そういって人差し指を立てる。
「そして、こんなこともできるのさ」

彼は、床に耳をつけた。
そして、一人でなにかつぶやいているようだ。
「風間さん、どうしたんですか」
風間さんは突然、その姿勢のままでパチンと指を鳴らした。

ゴゴゴゴとなにか音がする。
「うわーーーーー! 地震だ!」
早く机の下に、隠れなければ!
いったい、これはなんなんだ。
すごい揺れだ。

「大丈夫、すぐ止めるから」
彼はそう言った。
「……し、しまった!!」
風間さんが焦っていう。
「地震のコントロール装置が壊れてしまったようだ!!
どうしよう!」

どうしようじゃない!!
このままでは、この周辺は崩壊してしまう。
「風間さん、どうしようじゃないですよ! ぎゃああーーーーーー!!」

僕の後ろの支柱が、崩れてくるのを見ながら動くことさえできなかった……。
地底人のミスで、僕が命を落とすなんてそんなバカな話ないよー!


そしてすべてが終った
              完