学校であった怖い話
>五話目(風間望)
>O5

僕は、もう我慢できずに目を開けてしまった。
……彼は、鼻をほじっていた。
か、風間さん?
僕は、呆然としていった。
彼はちょっと困ったようにいった。
あ、目を開けちゃダメだっていったじゃないか。

約束は、守らないとダメだよ。
約束が守れないなら、証拠は見せられないよ。
そして、呟くようにいった言葉を、僕は聞き逃さなかった。
君が、目をつぶってるうちに僕が妖怪だっていう証拠を考えていたのになぁ。

……ちょっと!!
証拠なんて、考えるものじゃないよ!
人を、おちょくるにもほどがある!
ううーーーーーーーーー!!
…………………いや。

こんな、風間さんにつきあった僕がいけなかったんだ。
そうだ、それは最初からわかりきっていたことなのに。
うう、僕はなんてバカなんだ。
そして、風間さんは僕を流し目で見ながらこういった。

「さあ、僕の話は坂上君が台無しにしてしまったから、ここでおしまいだ。さあ、残念だけど次の人の話を聞こうか」


       (六話目に続く)