学校であった怖い話
>五話目(細田友晴)
>G5

ついていかないんだね。
いや、実は僕も彼の後にはついていかなかったんだよ。
なにか、嫌な予感がしてね。
でも……、僕は後悔しているよ。

津田君は、占い好きの彼と同じようにあそこで首を吊ったんだよ。
彼の指先からは、血が出ていた。

彼は自分で指先を切って、その血であの文字盤をなぞっていたらしいんだけどね。
それを見た人は、一瞬文字盤自体から血が流れ出ているように見えたんだって。

僕は、あのトイレには絶対に行かないんだ。
坂上君も、絶対行ってはいけないよ。
あそこで、彼になにが起こったのかはわからない……。

僕があの時、彼のあとをついていったら……、彼を助けることがひょっとしてできたかもしれない。
まあ、運が悪ければ僕も死んでいたかもしれないけどね。
……これで、僕の話は終わりだよ。
……七人目はまだ来ないね。
そうなると、次がいよいよ最後か。
坂上君、何も起きないといいね。
……君も、そろそろ気づいていると

思うからさ。
この部屋を包む異様な霊気にね。


       (六話目に続く)