学校であった怖い話
>五話目(細田友晴)
>O5

「もうやめてくれ!」
僕は、半ば叫ぶようにいっていた。
気持ち悪くて仕方がない。

「いいよ、僕はこれでやめてもいいんだからね。そう、あのトイレはどんなことがあっても使うなよ……。保証はしないからな」
細田さんは、そういって僕を見た。
一瞬僕は、動けなくなった。
だって、細田さんの肩には黄色と黒のしまの……、そう、あれは女郎グモだ。
女郎グモが、細田さんの肩につい

ているじゃないか。

「ああ、こいつかい?」
そういって、細田さんは女郎グモを窓から逃がした。
「聞いたことがないかい? クモは執念深くてね。殺すとよくないことが起こるって、よくおばあちゃんにいわれていたんだ」
細田さんは、自分の席に戻るとそういった。

……これで、僕の話は終わりだよ。
……七人目はまだ来ないね。
そうなると、次がいよいよ最後か。
坂上君、何も起きないといいね。
……君も、そろそろ気づいていると思うからさ。
この部屋を包む異様な霊気にね。


       (六話目に続く)