学校であった怖い話
>五話目(福沢玲子)
>J7

「もう帰ろうよ。福沢さん」
僕は、彼女の手を引っ張った。
「……なんだ、残念。坂上君て、もっと勇気があると思ったのにな。それじゃ、彼女なんてできないよ」
僕は、彼女の言葉に笑いながら、水泳部の部室をあとにした。

早く、新聞部に戻らなければ。
そして、次の話を聞こう。
七人目が来なければ、次の話が最後になる。
こんな集まり、早く終わらしてしまおう。
……そして、今見たもののことは忘れるんだ。


       (六話目に続く)