学校であった怖い話
>五話目(福沢玲子)
>T3

そうなのよ。
泳いでいる時、足をつる人が多くなったの。
でも、それだけじゃないのよ。
誰もいないはずの部室で、誰かが使った形跡があったりとかね。

部室をきれいに片付けておくでしょ。
するとね、次の日、部室が水浸しになっているのよ。
壁とかにも、水滴が付いていて、まるで誰かが水をまいたようになってるの。

みんな、当然のように噂したわ。
きっと、瀬戸さんの霊がいるんだろうって。
瀬戸さんが、水泳部のことを忘れられないで、化けて出てくるんだろうって。
しかもね、彼女の使っていたロッカーを使った子が、次々と事故にあったの。

さっき、泳いでいる時、足をつる人が多くなったっていったでしょ。
あしをつったり、溺れたりって事故がいろいろあったんだけどさ。
それって、瀬戸さんのロッカーを使った子に限って起きるんだって。

それでね、その人たちに話を聞くとみんな口を揃えていうんだってさ。
泳いでいたら、突然誰かに足を引っ張られたって。
……きっと瀬戸さんだよ。
瀬戸さんが寂しくてさ、友達を欲しがってるんだよ。

だから自分と同じロッカーを使う子の足を引っ張るんだと思うよ。
仲良しになれると思ってさ。
足を引っ張られた子は、気持ち悪いからすぐロッカーを取り替えるでしょ。

最初のうちはね、おもしろがって、そのロッカーを使おうとする子も結構いたんだって。
だって、女子水泳部のエースだった瀬戸さんのロッカーでしょ。
そのロッカーを使った子は、きっと泳ぎがうまくなるはずだって、変な噂が流行ったんだよね。

でも、あまりに変なことが起きるでしょ。
それで、結果的に誰も使わなくなっちゃったわけ。
別に泳ぎがうまくなるわけでもなかったしね。
当たり前だよね、そんなの。

でさ、そのロッカーってね、使用禁止になっちゃったの。
動かすのも気味悪いし、触るのもいやでしょ。
それでさ、その噂に尾ひれがついて今では、瀬戸さんのロッカーを開いただけで不幸になるなんていわれるようになっちゃったの。

いわば、開かずのロッカーってわけよ。
怖いよね。
その話を知ってて水泳部に入りたいなんていう人の気持ち、私わかんないなあ。

でもさ、そのロッカーって、ちょっと興味あるよね?
ない?
1.興味ある
2.別に興味ない