学校であった怖い話
>七話目(新堂誠)
>15A2

僕は、棚を捜した。
これといったものは……。
「うあっ!」
突然、僕の足に激痛が走った。
足元を見ると、岩下が僕の足に噛みついていた。
……こいつ、テーブルの下に隠れていたのか?

「殺してやるっ!」
岩下は、髪を振り乱し、僕に襲いかかった。
手には、縄が握られていた。
あれは、僕の手足を縛っていたロープ?
僕は、体勢を立て直す間もなかった。
倒れる僕の首に、ぐるりとロープが巻かれる。

「死ねぇっ!」
そして、岩下が力を込める。
「げぇっ!」

僕は、岩下の腕を引きはがそうとした。
けれど、びくともしない。
とても女の子の力とは思えない。
だんだん、力が抜けていく。
頭の血管が、ドクンドクンと激しく脈打っているのがわかる。

こんなところで……僕は死ぬのか?
僕は……。
ロープは、容赦なく僕の首を絞める。
目の前が赤く染まっていく。
僕は床に倒れた。
……赤い闇を透かしてかすかに、勝ち誇る岩下の笑顔が見えた。


       (ドクロエンド)