学校であった怖い話
>七話目(新堂誠)
>15I4

僕は、めちゃくちゃにナイフを振り回した。
「ぎゃっ!」
悲鳴があがった。

荒井だ!
腕を押さえた指の間から、血がしたたっている。
その手から、彫刻刀が落ちた。
もう少しで、これの一撃を受けるところだったのか。
その時。

「ひぃーーーーーっ!!」
岩下が絶叫した。
「殺してやる!」
僕に飛びかかってきた。
あっという間に、ナイフがもぎ取られる。
次の瞬間、そのナイフは、僕の胸に叩き込まれた。

「死ね! 死ね!
死んじまえっ!」
岩下は叫び続けている。
その望み通り、僕は間もなく天国へ召されるだろう。
……いや、僕は天国へ行けるほど、善人ではないかもしれないな。
そんなことを考える僕の目に、岩下の肖像画が映った。

真っ二つに切り裂かれている。
僕のナイフがやったのか……。
それが、僕の最期の意識だった。


       (ドクロエンド)