学校であった怖い話
>七話目(新堂誠)
>5E5

「アンプルは、どこにあるんだ?」
僕は、一番気になっていることを聞いた。
「答えたら、助けてくれる?」
……こいつ!
どこまで、図に乗るつもりだ。

僕は、思わずこぶしを握りしめた。
細田の顔が、はっとこわばる。
「ご、ごめんよ。話すよ。アンプルの場所だろ、知ってるよ」
「じゃあ話せ。本当のことをいえば、助けてやらないこともないんだ」

「う……うん、うん、うん!」
細田は、何度もうなずいた。
本当に知っているようだ。
「嘘をついたら、ぶっ殺すからな!」
細田は、大きく首を振った。

「嘘なんかつかないよ。助けてくれるんなら、何でもするから。アンプルはね、旧校舎にあるんだ。僕ね、日野様が旧校舎にあれを隠しに行くのを見ちゃったんだよ。どこかは知らないけれど、絶対に旧校舎にあると思うよ」

「……旧校舎か」
「……あ! このことは、絶対に内緒だよ。
そうでないと、僕は殺されちゃうからさ。お願いだよ」
僕は、すがりつく細田を突き飛ばした。

「……旧校舎」
僕は、時計を見た。
残り時間はあとわずか……。
急がないとならない。
……しかし、その前に行っておかねばならないところはないか?
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