学校であった怖い話
>七話目(新堂誠)
>5H6

「殺人クラブって何だ!
教えろ!」
「ひぃっ、それだけは勘弁してよ。殺されちゃうよぉ!」
細田は、また泣き出した。

「泣いても、お前は殺されるぜ。さっき、風間が死んでたぜ。日野が殺したのさ。新堂は縛りあげたが、もう死んでるんじゃないのか? ……それに、荒井も岩下も死んだ。お前も、死にたいか?」
僕の言葉がよほどショックだったのだろう。

あとは、細田はペラペラと聞きもしないことまでしゃべり始めた。
「助けて! 僕を守ってよ! 何でも、しゃべるから。殺人クラブっていうのは、昔からあるんだよ。僕も詳しいことは知らないんだけれど、決して表立っては行動しないんだ。裏のクラブだから。わかるだろ?

ね? ね? それでね、今の部長が日野様なんだ。この学校ではね、日野様に逆らう奴は、みんな殺されるんだよ。今クラブには七人しかいないけれど、みんな、怖い人たちなんだよ。……そうだ! 僕から、日野様に頼んであげるよ。

君が殺人クラブのメンバーになれるようにさ。どう? いい話だろ?
そうすれば君も死ななくてすむし。嫌な奴は、みんなで殺すことができるんだ。ね? そうしようよ。
ね? ね?」

あとは、細田はペラペラと聞きもしないことまでしゃべり始めた。
「助けて! 僕を守ってよ! 何でも、しゃべるから。殺人クラブっていうのは、昔からあるんだよ。僕も詳しいことは知らないんだけれど、決して表立っては行動しないんだ。裏のクラブだから。わかるだろ?

ね? ね? それでね、今の部長が日野様なんだ。この学校ではね、日野様に逆らう奴は、みんな殺されるんだよ。今クラブには七人しかいないけれど、みんな、怖い人たちなんだよ。……そうだ! 僕から、日野様に頼んであげるよ。

君が殺人クラブのメンバーになれるようにさ。どう? いい話だろ?
そうすれば君も死ななくてすむし。嫌な奴は、みんなで殺すことができるんだ。ね? そうしようよ。
ね? ね?」

こいつ……、なんてことをいい出すんだ。
僕に、殺人クラブに入れだと?
「甘く見るなよ。人を見てものをいえ! ふざけたことをいうと、ぶっ殺すぞ!」
僕は、細田の目の前で、血に染まったガラスをちらつかせた。

「ごめんなさい! ごめんなさい!
そんなつもりじゃなかったんだよ!
そうだよね、君はこんなクラブになんか入るような人じゃないよね?
代わりに、アンプルのある場所を教えてあげるよ。だから、許してよ」

「何だと!?」
僕は、一瞬自分の耳を疑った。
「お前、アンプルの場所を知っているのか!?」

「う……うん、うん、うん!」
細田は、何度もうなずいた。
本当に知っているようだ。
「嘘をついたら、ぶっ殺すからな!」
細田は、大きく首を振った。

「嘘なんかつかないよ。助けてくれるんなら、何でもするから。アンプルはね、旧校舎にあるんだ。僕ね、日野様が旧校舎にあれを隠しに行くのを見ちゃったんだよ。どこかは知らないけれど、絶対に旧校舎にあると思うよ」

「……旧校舎か」
「……あ! このことは、絶対に内緒だよ。
そうでないと、僕は殺されちゃうからさ。お願いだよ」
僕は、すがりつく細田を突き飛ばした。

「……旧校舎」
僕は、時計を見た。
残り時間はあとわずか……。
急がないとならない。
……しかし、その前に行っておかねばならないところはないか?
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