学校であった怖い話
>七話目(新堂誠)
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よし、それじゃあ逃げ出そう。
……でも、どこへ?
学校の外へは出られない。
僕は、追い詰められたネズミ同然だ。
何だか、腹がたってきた。

「こいつっ!」
僕は細田を蹴り飛ばした。
「痛い! 痛いよ! やめてくれよ! アンプルのある場所を教えてあげるから!」

「何だと!?」
僕は、一瞬自分の耳を疑った。
「お前、アンプルの場所を知っているのか!?」

「う……うん、うん、うん!」
細田は、何度もうなずいた。
本当に知っているようだ。
「嘘をついたら、ぶっ殺すからな!」
細田は、大きく首を振った。

「嘘なんかつかないよ。助けてくれるんなら、何でもするから。アンプルはね、旧校舎にあるんだ。僕ね、日野様が旧校舎にあれを隠しに行くのを見ちゃったんだよ。どこかは知らないけれど、絶対に旧校舎にあると思うよ」

「……旧校舎か」
「……あ! このことは、絶対に内緒だよ。
そうでないと、僕は殺されちゃうからさ。お願いだよ」
僕は、すがりつく細田を突き飛ばした。

「……旧校舎」
僕は、時計を見た。
残り時間はあとわずか……。
急がないとならない。
……しかし、その前に行っておかねばならないところはないか?
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