学校であった怖い話
>七話目(新堂誠)
>7U5

僕は、福沢の首を絞め返した。
不意をつかれたとはいえ、相手は女の子だ。
本気を出せば、僕の方が勝つに決まってる。
やがて、福沢はぐったりと床に倒れた。
殺さないように、気をつけたつもりだけど。
とにかく、僕は一息ついた。

これで助かった。
あとは、このアンプルを飲めば……。
気を抜いた瞬間、影が飛び掛かって来た。
気絶したはずの福沢だ。
「キィーーーーーッ!」
僕の手を引っ掻き、アンプルを弾き飛ばす。

アンプルは、窓の外へ飛び出した。
そんな!
僕は窓から乗り出した。
暗い校庭に、かすかな光を放ちながら、アンプルが落ちて行く。
あれがなければ、僕は!

その時、背後から、ものすごい勢いで突き飛ばされた。
バランスを崩して、体が窓の外へ出る。
馬鹿な。
ここは三階だぞ!?
落ちる僕を、福沢が見つめていた。

うっとりしたような表情だ。
そしてそれが、僕の見た最期の光景だった。


       (ドクロエンド)