学校であった怖い話
>七話目(新堂誠)
>7AD8

「うっ……」
僕は、顔を苦しそうに歪めた。
そのまま、地面に倒れる。
もしかしたら、毒が効いてきたと思ってくれるかもしれない。
日野は、僕に近寄ってきた。
「なんだ、解毒剤を飲んでいないのか?」

かがんで、僕を見る。
まだ駄目だ。
一瞬で飛びついて、ナイフを奪い取るには、まだ遠い。
「がっかりさせてくれるな」
日野は肩をすくめた。

そして、次の瞬間、僕の上におおいかぶさった。
跳ね起きる間もなく、胸にナイフが突き立てられる。
熱い、しびれるような感覚に、全身がケイレンした。
日野は嬉しそうに笑っている。
「とどめだけは刺させてもらう。俺の楽しみを奪った、せめてもの罰だぜ」

「ば……罰だと?」
必死に声を絞り出す。
「そうさ。俺が、気に入った奴を殺人クラブに入れたのは、何のためだと思うんだ?」
日野は、血のついたナイフを、ぺろりとなめた。

「殺人をしていると、だんだん自分が神のような気持ちになるんだ。それなのに、つまらない人間だったと思い知らされた時の、奴らの顔を考えてみろよ」
なんだって!?

それは、つまり……最後には、あの六人も殺すつもりだったということか!?
「絶望のうちに死んでいく奴らを見るのが、何よりの楽しみだったのにな。とにかく、責任は取ってもらうぜ」


       (ドクロエンド)