学校であった怖い話
>七話目(新堂誠)
>7AF10

僕は、アンプルの中身を一気に流し込んだ。
のどの奥が一瞬スッとして、それからカアッと熱くなる。
「どうだ?」
日野が、ニヤニヤしながら聞いた。
……何だか熱い。

それに、なんだか、体の奥からこみ上げてくる力を感じる。
「さあ、それじゃあ今日から早速、活動を始めるぜ。おまえにも、殺したい奴くらいいるだろう?」
日野がいう。
当たり前じゃないか。

学校へ来るとき、いつも吠える犬の飼い主。
僕よりいい学校に入った息子を、いつも自慢する近所のおばさん。
予習していないときに限って、僕に当てる英語の先生。
それに……。
日野が、僕の肩を気安く叩いた。

「まあ、気長にやろうぜ。獲物は逃げやしないんだから」
……そうだな。
僕は少し考えて、それからうなづいた。
日野に飲まされた薬は、いったい何だったんだろう?
そんな考えが、頭をよぎった。

でも別にいいか、そんなこと。
僕にはやることが山のようにある。
今なら、何でもできそうだ。
日野が笑っている。
きっと、彼とはこれから、長い付き合いになるんだろうな。
新しくできた親友に、僕も微笑みを返した。


       (ドクロエンド)