学校であった怖い話
>七話目(新堂誠)
>7AJ9

僕は迷わず、日野ののどにドライバーを突き刺した。
パアッと、真っ赤な血が飛び散る。
「そ……そんな……」
ひゅーひゅーと、傷口から息がもれる。
そして日野の目は、ぐるりと回転し白目を向いた。
操り人形の糸が切れたように、ぺしゃっと地面に倒れる。

……死んだんだ。

僕は、ワイシャツの中から命を救ってくれた窓枠を取り出した。
今にも折れそうな、こんな腐った木が、僕を助けてくれたなんて。
手の甲で顔をぬぐう。
ベットリと、日野の返り血がついた。
……このまま帰ったら、きっと家族は驚くだろうな。

僕はクスクスと笑った。
同時に、涙があふれて止まらなかった。
僕は勝った。

なのに、このやりきれない気分は何だろう?
子供のようにしゃくりあげる。
…………………………僕は人殺しだ。

僕は人殺しだ。
その時、朝日がさし込んだ。
まるで、僕の罪を告発するように。


       (ドクロエンド)