学校であった怖い話
>七話目(細田友晴)
>AQ7
僕は様子を見ることにした。
男は、細田さんの胸に手をかざした。
その瞬間、細田さんがビクンと飛び跳ねた。
白目をむいて、床に崩れ落ちる。
だらしなく放り出された手足は、まるでぬいぐるみのようだった。
あるいは、脱ぎ捨てられた服のような。
「ほ……細田さん……」
僕はささやいた。
細田さんは動かない。
死んでしまったのか?
この男……いや、死神に命を吸い取られたとでもいうのか。
僕はあわてて、駆け出そうとした。
しかし、一瞬早く、死神が振り向いた。
目があった途端、体が動かなくなる。
黒木先生が笑い声をあげた。
「残念だったな。おまえも死ぬのさ」
男が、手を伸ばしてくる。
七不思議なんて、企画するんじゃなかった。
僕が思っていたよりずっと、この学校の闇は深かったんだ。
こうして、この僕まで命を落とすなんて。
気を失う瞬間、黒木先生の声が聞こえた。
「七不思議を全部知ってしまうと悪いことが起こるんだぜ……」
(ドクロエンド)