学校であった怖い話
>四話目(新堂誠)
>B5

やっぱり、そう思うか!
じゃあ、いっしょに美術室へ来てくれ!
もう一度あそこに行けば、きっと彼女の声が聞ける。
何がいいたいのか聞いてやれる。

……なぜ、そんなに熱心なのか不思議だって顔してるな。
いっただろ、ご近所さんだったってさ。
それだけじゃない。
まあ、ちょっとあこがれてたっていうか……。
俺にとって特別な人だったんだ。
チェッ、つまんねえこといわせんなよな。

……さあ、ついた。
ドアを開けるぜ。
よし、絵はさっきのまんまだな。
ほら、もっと近づいて見ろよ。
……これでいい。
お前にはどう見えてるかは知らない。
でも俺には、無念の表情が見えるぜ。

さあ、清水さん!
いいたいことがあるなら、いってくれ!
……………………声が聞こえてきたぞ。
清水さんの声だ!
俺のことわかってくれたんだな、清水さん!
よかった………………。
……ほら坂上、わかるか?

絵が、きれいな元の清水さんに戻っただろ。
清水さん、寂しかったんだってよ。
殺された悔しさと、自分を避けるみんなへの怒りで、あんな絵になってしまったんだ。

でも、もう大丈夫だ。
こうして絵も元に戻ったしな。
お前たちが死ぬことも、多分ないと思うぜ。

……俺が何をしたかって?
清水さんが寂しいなら、俺と来ればいいっていっただけさ。
彼女、喜んでくれたぜ。
お前には見えないか?
清水さんは今、俺の肩のとこにいるんだぜ。
霊感の強そうなお前なら、見えると思うんだがな。

たとえ悪霊だって構うもんか。
これから俺は、ずっと清水さんといっしょなんだぜ…………。
それじゃあ、新聞部に戻ろうぜ。
次の奴の話を聞かなくちゃならねえからな。


       (五話目に続く)