学校であった怖い話
>四話目(新堂誠)
>L5

彼女は、死んだペットたちを描きまくっていたのさ。
精魂込めて描けば、絵の中に魂が宿るっていうのが彼女のいい分だった。
それが本当かどうかはともかく、ペットの絵を描くことで、そいつらを生き返らせてるつもりだったのかもな。

だから彼女が殺された後、幽霊が自画像を描き続けてるって聞いて怖かったぜ。
彼女は絵になって生き返るつもりじゃないかと思ってさ。
……実はさっき美術室に行った時それを確信したんだ。
あの絵を見た瞬間、絵の中の彼女が俺を見つめ返したのさ。

チカチカッと火花が散ったような気がした。
彼女の目がいっていたよ。
「五人目はあなたよ」
……ってな。

俺には、なんとなくわかった気がしたよ。
絵の中の彼女が生き続けるためには、生け贄が必要なんだ。
今まで死んだ四人は、とりつかれて生気を抜かれたのか、それとも恐怖のあまり自殺したのか……。
とにかく俺と同じように、彼女に選ばれた奴だったんだな。

お前には、彼女の心の声が聞こえなかったんだろう?
それなら安心していいと思うぜ。
次の標的は俺だってことだからよ。
……俺がビビッてないんで、不思議か?
俺はさ、彼女が迎えに来たら話してみようと思ってるんだ。

あれだけ仲が良かったんだから、俺のこと思い出したら見逃してくれるんじゃないかってな。
そしたら別の奴が狙われるだろうって?
しょうがねえよ。
俺だって死ぬのは嫌だもんな。
まあ、お前も気をつけるんだな。

これで俺の話は終わりだぜ。
次は誰が話す?


       (五話目に続く)