学校であった怖い話
>七話目(岩下・福沢)
>J14

テレビ局へ行って、このことをみんなに知らせなきゃ!
スンバラリア星人が、地球に侵攻してきていることを……。

さいわい夕暮れだったし、人気のない道を選んで走った。
テレビ局は、学校からあまり離れたところではなかった。
中学校の時、社会科見学で一度行ったことがある。
テレビ局に着いて、僕は看守がいないか茂みに隠れて見た。
ちょうど、交代の時間だったと見えて看守ボックスで話をしている

ようだ。

「チャーンス」
僕は突っ走った。
そして、裏口からそっと忍び込んだ。
とりあえず、壁に貼ってあるタイムテーブルを見た。
「生番組は……、これだ!!」
ニュース番組に目がいった。
もう本番を始めているようだ。

「第五スタジオか……」
テレビ局の中って、こんなに静かなのかな。
撮影所とは違うんだろうな。
そんなことを思いながら僕は急いだ。
「ここだな……」
僕はドアに手をかけて思った。

しまった、マスクを取らないと。
僕は生臭いマスクを取った。
ゆっくりとドアを開ける。
そして、テレビカメラに近づいていった。
僕は屈みながら物陰から近づく。

ニュースキャスターがしゃべっている。
「あっ!!」
僕は思わず声を出してしまった。
テレビカメラが僕のほうを向く。

そこには、スンバラリア星人が何人もいた。
カメラマンも、ニュースキャスターもスタッフもみんなスンバラリア星人だった。
スンバラリア星人の操るテレビカメラには、僕の恐怖にゆがんだ顔が映っていた……。


       (ドクロエンド)