学校であった怖い話
>七話目(岩下・福沢)
>N11

僕は、部室のロッカーの中に急いで隠れた。
そして、ロッカーの中で息を殺していた。
すると、次々に廊下からスンバラリア星人が、部室になだれ込んできた。
「DSFAHEWUIDVAOJMMK」
「DRYSGGYUWOJJMV?」

わけのわからない言葉を、口々にしゃべっているようだ。
気になった僕は、ロッカーの隙間から様子をうかがった。
スンバラリア星人は、口から触手を出すと二人の死体をまさぐり始めた。

何人ものスンバラリア星人の口から、次々に触手が伸びてきて二人の死体をおおった。
しばらくすると、その触手はまたもとの口へとおさまっていった。
そこにあったはずの、二人の死体は跡形もなく消えていた。

吸収したのか!?
そしてスンバラリア星人たちは、周りにいる仲間とどんどん合体していった。
まるで粘土がくっつき合うように……。

ついには、一人の二メートルはあるスンバラリア星人となってしまった。
スンバラリア星人は辺りを見回した。
また口からは触手を出している。
そして、こちらを見て止まった。

僕が入っているロッカーへと近づいてくる。
まさか、ここにいることがばれた?
どうしてばれてしまったんだ。
どうしよう!
「ええい!」
僕は、思い切って飛び出した。

そして、僕よりも大きなスンバラリア星人につかみかかった。
結構動きは鈍いようで、もんどりうって倒れた後はすぐに立ち上がることができない。
僕は、スンバラリア星人の触手を力一杯引っ張った。
「MKJOWFDTYDYTUUH!!」

彼は、奇声を発するとばったりと倒れた。
なんだ、あっけないなぁ……。
なんのことはない、やっぱりパワーアップしても弱点は触手なんだ。
もう少し考えたらよかったのに……、スンバラリア星人。

弱点が同じじゃ、すぐやられちゃうよ。
なんだったんだろうこいつ……。
僕は、どっと疲れが出てその場に座り込んだ。
だけど、スンバラリア星人の死体はどうしたらいいんだ……。


       (新聞部エンド)