学校であった怖い話
>七話目(岩下・福沢)
>Y10

二人は声を合わせていった。
「……よし、わかった!」
あんまり二人の裸は見たくないが僕をだまそうとした罰だ。
悪いが、恥ずかしい格好になってもらう。
「脱いだ服は僕に渡してください。
そして、窓際に二人で並んでください」

僕は、いいなりになる二人を見てちょっと得意だ。
本当に日野先輩たちは、ワル乗りしやすいんだから。
「目をつぶって、精神集中してください」
僕は脅かそうと思って、長官が持っていたおもちゃのガンを二人に向けた。

「さあ、こちらを向いてください」
二人は僕を見て驚いた。
「な、なにをするんだ。長官に銃を向けたら、処刑されるんだぞ。馬鹿なことはやめて、早く銃をしまいなさい!!」
風間さんは、長官をかばうようにして僕にいった。

「風間さん、日野先輩、もういい加減にしてください。穏和な僕でも、もう我慢できませんよ。……そんなに、冗談が好きなら……。こうしてあげますよ!」
僕はそういうと、おもちゃのガンの引き金を引いた。
そのとき……。

ものすごい閃光と、衝撃が僕を襲った。
僕は、衝撃で後ろに吹き飛ばされてしまった。
なにが起こったのか、僕には理解できない。
ふと我に返って前を見ると、そこには風間さんと長官が変わり果てた姿で横たわっていた。
「先輩!!」

僕は泣きそうになった。
そして、二人に駆け寄った。

「うっ!」
僕は吐きそうになった。
風間さんと、日野先輩だと思っていた二人はアンモナイト野郎の格好をして死んでいた。
これは、特殊メイクなんかじゃない!!
じゃ、二人は本当にスンバラリア星人だったのか!?

二人は、シュウシュウと音を立てながら溶けて跡形もなく消えていった。
僕は、自分の取った大胆な行動に今さらながら震えた。
でも、ぼくは地球の危機を救ったんだ。
そうだ、僕はヒーローなんだ!!


       (新聞部エンド)