学校であった怖い話
>七話目(岩下・福沢)
>AI7

「ちょっと、待ってよ。僕にはどっちが悪者なのか、判断するものがないんだよ。急に出てきて、俺に力を貸せなんて都合がよすぎるよ。それに、僕の体を勝手にかりていたっていうのもひどいじゃないか。そんなやつの力になんてなれないね」
僕はちょっとムッとしていった。

「ワカリマシタ。セッカク助ケテアゲヨウト思ッタノニ、ソンナイイカタハナイデスヨ。私ハ、トテモ傷ツケラレマシタ。モウ、勝手ニシテクダサイ。坂上ノ言ウ通リ、私ハココカラ出テイキマス」
ボッヘリト星人はそういった。

すると、今まで僕の体を駆けめぐっていた熱いものが、ふっと消えていくのがわかった。
「坂上君、君も馬鹿だねえ。せっかく伝説のハンター・ボッヘリト星人の力をかりることができたのにね。もう、この地球は君のひとことで、見捨てられてしまったんだよ。
遠慮なく僕たちが、地球を侵略させていただきますよ。ふふふ……」

そ、そんな僕だって、あんな態度をとったのは、周りが急展開しすぎてついていけなかったからだ。
問題を一個一個解決しようとすると、また何か別の問題が起こるんだからどうしようもない。
そして、スンバラリア星人はワッペンのような物を取り出すと片手をあげた。

一瞬、空が光った。
外はもう暗かったので、昼間のように辺りが明るくなる。

その明かりはすぐに消えて、またもとの暗闇が戻ってきた。
スンバラリア星人はもうそこにはいなかった。
……よかった、あれは全部幻だったんだ。
そして、ふと廊下を見る。

僕は言葉を失った。
そこには、廊下を埋め尽くすほどのスンバラリア星人がこちらに向かって歩いていたんだ。
「夢じゃなかったんだ……、全部……」
僕は、ただ立ちつくすことしかできなかった。


       (ドクロエンド)