学校であった怖い話
>七話目(細田友晴)
>A27

僕は、五人と答えた。
彼女の仮面を支えていた指に力が入る。
そして、彼女は勢いよく仮面をはいだ。

彼女には顔がなかった。
というよりも、そこには僕の顔があった。
僕が、僕に向かってしゃべる。
……嘘……。
五人のはずがない……。

嘘だ……。
僕をからかっているのか?
ひどい、ひどいよ!!
……僕のしゃべりかたや、声もそっくりだった。
彼女は、ひるんでいる僕に飛びかかった。

そして、僕の顔にあの仮面をはめた。
「うわーーーー!!」
僕は、その仮面を引きはがそうと一生懸命だった。
しかし、どうやってもその仮面は僕の顔からはがれない。

彼女は……いや、そいつは笑った。
その仮面は、どうやってもはがれないよ。
それはね、いろんな人の精気を吸い取ることができるんだよ。
ほら、ほら、はがそうとするから痛いんだよ。
おとなしくしていたら、ぜんぜん痛くないから。

あ、そうだ、はがす方法が一つだけあるよ。
君の精気を全部吸い尽くしたら、はがすことができるんだ。
けけけけっ!
……だめだ、もう力が出ない。
僕の、体から力が抜けていく。

僕が、あのときまじめに質問に答えていれば、あいつを怒らせなくてすんだのに。
もう遅い……。


       (ドクロエンド)