学校であった怖い話
>隠しシナリオ1(坂上修一)
>A5

僕は、誘われているのだろうか。
僕は、その仮面を手に取った。
その途端、ふれてはいけないものにふれてしまったような感覚を覚えた。
旧校舎にいたものは何だったんだろうか?
旧校舎にいたものは、どこに行ってしまうのだろうか?

僕は、無意識のうちにその仮面を顔に当ててみた。
当てると同時に、一瞬目まいがし、僕の視界はがらりと変わった。
仮面を通して見た景色。

それは旧校舎だった。
そして、僕の前に僕が立っている。
この景色は……あの旧校舎の女子トイレじゃないか。

仮面をかぶる僕に対し、目の前の僕は一言こういった。
「見たくない」
……そうか。
お前は、僕の顔を見たくないのか?
ならば見なければいい。
自分の顔を。

僕は、まだ悪夢の中にいるのだ。
心地好い、悪夢の中に。


       (新聞部エンド)