学校であった怖い話
>隠しシナリオ1(坂上修一)
>B6

何となく、かぶってほしいのかも、という気がする。
怖くはなかった。
僕は、仮面をつけてみた。
同時に、一瞬目まいがした。
そして、僕の視界はがらりと変わった。
仮面を通して見た景色。

それは旧校舎だった。
しかもあの女子トイレじゃないか。
目の前には、見たこともない人たちがいた。
口々に何かいいながら、僕を無理矢理、個室に押し込めようとする。
これは、仮面の記憶なのか?

僕は怖かった。
そして、それと同じくらい、彼らが憎らしくてたまらなかった。
何で僕が、こんな目に遭うんだ。
僕が何をしたっていうんだ。

憎らしい。
こんな奴ら、生きている価値もない!
その時、一人の顔に目が止まった。
この男!
こいつなら、僕は知っている。

僕は、仮面をかなぐり捨てた。
窓を見る。
ガラスに映った男の顔……。
これこそ、仮面の記憶の中の顔だ。
生かしておくわけにはいかない。
引き出しの中から、ハサミを取り出す。

先のとがった、鋭いハサミだ。
これなら、人くらい殺せるはずだ。
「死んでしまえ……」
低くつぶやいてみる。
僕ならできるという気がしてきた。
勇気が湧いてくる。

あいつを殺そう!
僕はハサミを握りしめた。
今度は、もっと大きな声で叫んでみよう。
「死んでしまえっ!!」
そうだ、死んでしまえばいいんだ!

僕はためらいもせず、一文字に、自分ののどを掻き切った。


       (ドクロエンド)