学校であった怖い話
>隠しシナリオ1(坂上修一)
>C6

燃やしてほしいのかな。
もう彼女には、必要のないものなのかもしれない。
僕は庭に出て、土の上に仮面を置いた。
台所から持ってきたマッチで、火をつける。

よく乾いていたらしい仮面は、あっという間に燃えだした。
立ち昇る煙が、暗い夜空に消えていく。
少女は、今どこにいるのだろう。
それに、あの六人も。
体は旧校舎にあったけれど、僕には、彼らが別の場所にいるように思えた。

……仮面が燃え尽きた。
わずかに残ったカスを踏んで火種を消し、僕は部屋に戻ることにした。

家に入ろうとした時、気配を感じた。
なんだ?
振り向いてみたが、誰もいない。
……きっと気のせいだ。
いろんなことがあったから、神経が高ぶっているのだろう。

僕は頭を振って、部屋に戻った。
ドアを開けた瞬間、風が顔を打った。
変だな、窓は閉めておいたはずなのに。
僕は、はためくカーテンを押さえ、窓を閉めようとした。

その時。
あってはならないものが、視界に入った。
暗い部屋の中で、ボウッと浮かび上がっているもの。

机の上にポツンと置いてある、あの少女の白い仮面が。
僕は言葉もなく、それを見つめた。
どうして、これを燃やしてしまえるなんて、思ったんだろう。
この仮面を燃やすなんて、できっこない。

砕いても、海に沈めても、きっとまた僕のところに戻ってくるだろう。
少女は、自分の呪いが作り上げた仮面の呪縛から、解き放たれた。
そして今度は、僕の番なんだ。

逃げるすべはないんだ……。
呆然とたたずむ僕に、仮面がニヤリと笑いかけた。


       (ドクロエンド)