学校であった怖い話
>隠しシナリオ1(坂上修一)
>D5

この仮面が、ここにあるはずがないじゃないか。
僕は、きっとまだ夢の続きを見ているんだ。
僕は息をついて、精神を集中した。
起きなければ。
目が覚めれば、いつもと同じ朝なんだ。
そうに決まってる。

起きなければ。
起きなければ。
起きなければ。
起きなければ。
起きなければ。
「おい、寝てるのか? 坂上」
……僕は、乱暴に揺り起こされた。
あわてて周りを見回す。

ここは……新聞部の部室じゃないか!
日野先輩が、あきれたように僕を見ている。
「一年のくせに、ミーティング中居眠りか。
大物だな、おまえ」
「す、すいません……」

僕は立ち上がった。
自然と、顔が赤くなる。
「いいさ。その代わり、今度の企画はおまえが中心になるんだぜ」
日野先輩がカラカラと笑う。
変に偉ぶったりしない、いい先輩だ。

でも、今度の企画って?
「あの……何をやるんでしょうか」
僕の質問に、先輩はもったいぶって答えた。
「この学校の七不思議の特集を組むんだ。話してくれる人間は、もう集めてある」
胃に、重いかたまりを突っ込まれたような気がした。

そんな……そんな馬鹿な。
「その日は俺、用事があって行けないんだ。
悪いけど頼んだぜ」
先輩の言葉が、うつろに響く。
僕はまだ、夢を見続けているのか?
永遠に明けない、無限の夜の中で……。


       (ドクロエンド)